大学では原発の炉心材料を研究していたsarukunが
「最近の原発をめぐる世の中の動きに対して考えること」

 大学では、経済(Economy)、エネルギー(Energy)、環境(Environment)の3Eのトリレンマ(ジレンマの3つバージョン) というものを学びましたが、原発についてもこの3Eを包括的に考えるべきであり、一概に良い悪いとは言えないと思います。
 確かに、安全(Environment)最優先という考えで、原発は止めるべきというのは一理あります。 でも、「原発をやめたら、経済やエネルギーはどうなるのか」も、ちゃんと考える必要はあります。 今は、国民は安全最優先、政府は経済やエネルギー優先の考えで、お互いが自分の立場から主張し合って いるだけで、建設的な議論ができていない感じがします。
 ただ、「原発をやめたら、経済やエネルギーはどうなるのか」は、国民には簡単には分からないので、 政府が定量的なデータを開示する必要があると思います。 経済面では、発電単価の安い原子力から火力にシフトすることで、電力各社はコスト増分を値上げしたいと 思うでしょう。火力発電のための化石燃料は、世界的にエネルギー需要が増加する中で、今後ますます高くなると 予想されます。電気代の値上げは、家計負担増と企業のコスト増による景気の悪化を招く恐れがあります。 また、原子力関連の企業は本業を続けていくことができず、倒産に追い込まれる可能性があります。 エネルギー面では、日本の総発電量の3割(2009年度)を占める原子力がなくなると、電力不足による停電が懸念されます。
 これらの問題を考えると、確かに今すぐ原発をやめるという決断は難しく、一部の原発の再稼働もやむを得ないと思いますが、 再稼働が必要な理由が定量的に示されていないから国民の納得感が得られていないし、”安全は一定レベルで確保できているから 大丈夫”という説明にも不信感が拭えません。
 というわけで、これから先も経済やエネルギーの問題と、安全の問題は、正しく天秤にかけて、原発要否を冷静に判断する ことが大切と思います。その上で、原発の安全性に少しでも不安が残るのなら、将来的には原発をやめることを視野に入れて、 今のうちに、経済やエネルギーへの影響を小さくするために新エネルギー源の開発等を進めるべきと思います。
 どのような選択をするにもリスクが伴うわけで、原発事故のリスクだけをやたら強調してデモ活動を行うのには違和感を 感じますが、自分が原発稼働地域の住民だったらやっぱり原発反対と言いたくなると思います。国民一人一人の立場や考え方 は違うので、やはり政府が国民全体の意見を考慮して、なるべく皆が等しく幸せになれるような政策を推進して頂けることを望みます。

2012年8月

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